アルコール依存症者の娘

アルコール依存症だった(断酒中)母との関係の中でやり場のない思いをとりとめもなく綴ります。

予はいかにして当ブログを書くに思い至りしか

はじめに

以下、長いです。

 

私の母はアルコール依存症者です。一昔前なら「アル中」や「のん兵衛」と言われていたタイプです。私の母はアルコール依存症者”でした”と書きたいところですが、それは母がこの世を去るまで無理でしょう。現在、酒を断ち、AAという自助グループに通って数年経ちました。最悪期に比べ、穏やかになり、体も良くはなっていますが、アルコール依存症の治療に終わりはありません。本人がまた酒を飲まないか、いつも不安です。

アルコール依存症者のどのように治すのかご存じでない方もいらっしゃるでしょう。最近、性依存症者が病気を自認して治療する過程を描いた漫画を読みましたが、アルコール依存症者たちの治療法もほぼ同じです。アメリカの『エレメンタリー』というドラマがあります。ニューヨークを舞台にしたホームズ物で、とても面白い作品でおすすめです。このドラマは大きな特色があり、一つはワトソンとなる存在が女性であること。二つ目は、ホームズが薬物依存症者であることです。ホームズ物でホームズが薬物を打ち、ヘロヘロになっている様子はよく描かれていますが、このドラマはそこから一歩進み、ホームズが薬物治療と向き合います。病院に行き、社会復帰に際して人の手を借り、定期的に元中毒者たちの集まりに顔を出す。日本のドラマではほとんど描かれないため、(というより、日本ではアルコール依存症者はいないことにされているような気がします)初めて見たときは衝撃を受けました。『酔うと化け物になる父がこわい』というアルコール依存症者の家族を描いた漫画を知りました。ツイッターで少しだけ見たのですが、忘れようとしている思い出が刺激され、気にはなっているもの本を手に取ることができませんでした。

 母がアルコール依存症者になった経緯は書くと長いので、また別の記事にまとめます。家族を簡単に説明すると、両親は健在ですが離婚。母と妹二人が一緒に暮らし、私は別の県に一人暮らしという状況です。今までいろいろなことがありました。姑の嫁(母)いびり、父の無関心、別居、家族崩壊、その中で母のアルコール依存症は通院と再発を繰り返してきました。それでもなんとか離婚の後、別の場所に引っ越し、通院を続けてきて私や妹たちはやっと明るい気持ちで将来について考えられるようになりました。(過去形)自分の人生を振り返ったとき、橋田寿賀子ドラマのような人生だった気がします。

 

母はデジタル機器が全くわかりません。理解する気もありません。なので携帯の契約や家のWi-Fiのこと、スマートフォンの操作などは私や妹が教えます。私がバイトを始める時に必ずメモは忘れるなというくせに、妹からスマホの操作を教わるときには全くメモをとりません。アカウントなどもこちらがメモを取れと言わない限り取りません。不思議です。というわけで、最近母たちは通信会社を変えたため妹が母のスマホを操作して機種変更の手伝いをしました。そこで母が既婚者の男性と恋愛していることに妹が革新を持ちました。

少し前から、帰省するたびに母には彼氏がいるらしいということは普段母の様子を見ている妹たちから聞いていました。妹たちは嫌がっているようでしたが、母が自分の身に気を配れるようになったのは良いことだと思っていました。母は現在独身なのですし、私たち娘があれこれ口を出すべきじゃないと妹たちには言い聞かせてきました…

しかしその相手が既婚者であったと妹は知り、先日私に伝えてきました。私は「知らないふりをしよう」と妹たちに言い聞かせましたがかなり動揺しています。

母はずっと恋人がいるとは言っていませんでした。夜の帰りが遅いときは病院や、自助グループ、友達付き合いだと言っていました。私たちが母の秘密に気付いたことも、気が付いていないと思います。しかし私たちは知ってしましました。

 

芸能人や他人の不倫話は当人の問題なのだから外野が騒ぐことではないと思ってきました。アンナ・カレーニナボヴァリー夫人ダウントン・アビーなど、物語で不倫が出てきてもどうとも思いませんでした。しかし”当事者”の関係者になってしましました。

母の友人の中には夫に不倫されて家庭内別居中の人がいます。母は友人に同情し、友人の夫に憤っていました。また、一般的に不倫で請求される慰謝料が数百万であることも知っています。なのに母はどうして…という思いで私と妹はいっぱいです。本当にどうしたらいいのかわかりません。相手の男や母を責めることは簡単です。しかしこちらが分かれろと迫ったところで、本当に切れたかどうかはわからないし、余計当人たちを盛り上がらせるだけかもしれません。妹たちは未成年で今の(表面上は)落ち着いた生活を変えたくないとも思います。結局、そっとしておくしかありません。

 

今はやり場のない思いをただ吐き出したいの一心でネットに放出することを決めました。これから自分の過去の整理をするために昔語りや自己憐憫に浸った文章を上げると思います。このブログを読んだ方の中にご家族がアルコール依存症だった方がいらっしゃれば、どのように乗り越えたかを教えていただきたいです。